シニアの“靴の選び直し”が歩きを変える|疲れにくい靴の選び方と履き方

シニアの“靴の選び直し”が歩きを変える|疲れにくい靴の選び方と履き方のアイキャッチ画像 シニア向けシューズ

みなさん、楽しくウォーキングしてますか!

歩くことはシニア世代にとって最も身近で効果的な健康習慣のひとつですが、「足がすぐ疲れる」とか、「外出が億劫になる」と感じたことはありませんか?

その原因、実は「靴」にあるのかもしれません。

シニアの足は、年齢とともに形やサイズが変化していきます。
にもかかわらず、昔と同じ靴を履き続けていれば、足への負担はどんどん増えていくのです。

この記事では、シニア世代でも無理なく歩けるための「靴の選び直し術」を今一度みてみようと思います。

履き方のちょっとした工夫から、選ぶべき靴のタイプ、失敗しない通販選びのコツまで、これからの一歩を支える“新しい靴との出会い方”を詳しくみて参りましょう。

それではご一緒に。

■この記事を書いた人

キーボー : ウォーキング歴、足掛け25年のベテランウォーカー

なぜ今“靴の見直し”が必要なのか

シニアの足は変化している

年齢を重ねると、筋肉量や皮下脂肪が減少し、足の形そのものが変化してきます。

特に目立つのが「土踏まずの低下(偏平足化)」「足幅の広がり」「足の甲の痩せ」です。
また、足のアーチが崩れることで、バランスが取りにくくなったり、靴の中で足がずれるといったトラブルも起こります。

さらに、皮膚が薄くなることや感覚の鈍化などにより、小さな靴擦れや圧迫にも気づきにくくなります。

つまり、若い頃と“同じ靴サイズ”を履いていたとしても、実際には合っていないケースが多いのです。

昔と同じ靴では疲れやすくなる理由

かつては快適だった靴も、年齢とともに足の変化に合わなくなっていきます。
たとえば、かかとが擦れてしまう、つま先が当たって痛い、という症状に覚えがある方は多いでしょう。

それは、「靴が悪い」のではなく、「足が変わった」のです。 また、靴底がすり減った古い靴を履き続けると、歩行時の衝撃がダイレクトに足や膝に伝わりやすくなります

かかとが擦れてきた靴の画像イメージ
かかとが擦れてきた靴

クッション性が失われた靴は、長く歩くほど疲労を蓄積させ、膝・腰の痛みを引き起こす原因になります。
つまり、靴の寿命ではなく、「足の変化」に合わせて靴も見直す必要があるということなのです。

歩くことの快適さは“靴”で決まる

快適なウォーキングのためには、体力や気力ももちろん大切ですが、最も直接的に影響するのが「靴」です。

履いていて痛みや違和感があれば、自然と歩数も減り、外出も億劫になります。

逆に、自分の足にぴったり合った靴を履くことで、「あれ?こんなに歩けたっけ」と感じる方も少なくありません。

靴が変われば、歩幅が広がり、姿勢も安定し、転倒リスクの低下にもつながるのです。

歩きやすい靴は、シニアにとって“第2の杖”とも言える重要な道具。
だからこそ、「今の自分の足」に合う靴を、しっかりと見直すことがこれからの健康に直結します。

疲れにくい靴の選び方|5つのチェックポイント

足幅と甲の高さに合っているか

高齢になると、足幅が広がり、甲の高さが低くなる傾向があります。

市販の靴の多くは「標準的な幅」に合わせて作られているため、ワイド設計の靴(3E〜5E)を選ぶことで、足先の圧迫や痛みを防げます。

また、足の甲が薄くなると靴の中で足が前後に動きやすくなり、靴擦れの原因にもなります。

面ファスナーや靴ひもで甲の高さを調整できる靴を選ぶと安心です。

軽量かつクッション性があるか

靴そのものが重いと、歩くたびに余計な負担がかかり、ふくらはぎや腰に疲れがたまりやすくなります。

目安としては、片足300g以下の軽量タイプが理想です。

さらに、かかとや足裏にクッション素材がしっかり入っている靴を選ぶことで、歩行時の衝撃を吸収し、関節への負担を軽減できます。

特に「EVA素材」や「エアソール」などが使われているものがおすすめです。

滑りにくいソールであるか

転倒予防の観点からも、靴底のグリップ力は非常に重要です。
とくに雨の日のタイル床やマンホールの上など、滑りやすい環境での歩行は、靴底のパターンが命綱になります。

底がすり減っていたり、溝が浅い靴は避けましょう。

“滑り止め加工”がされていることを明記している製品を選ぶと安心です。

脱ぎ履きがしやすいデザインか

高齢になると、しゃがんで靴ひもを結ぶ・解く動作がつらくなることがあります。
そこで便利なのが、
面ファスナー(マジックテープ)やファスナー付き、手を使わずに履けるタイプの靴です。

これらは両手を使わずに、もしくは片手でも履けるため、
手先の力が弱くなってきた方や、膝・腰に痛みがある方でも扱いやすいのが特徴です。

参考記事はこちら
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安定感のあるヒール・かかと構造か

見た目がスマートでも、かかと部分が柔らかくグラつく靴は転倒リスクが高くなります。

シニア世代には、かかとをしっかり支える硬めのヒールカウンターが入った靴が適しています。 また、靴底が厚すぎず、足裏全体で地面をとらえるようなフラット設計が歩きやすく、疲れにくさにもつながります。

靴選びに失敗しないための3つの工夫

サイズは午後に測る

靴を選ぶうえで意外と見落としがちなのが、サイズを測る“時間帯”です。
実は、足のサイズは一日の中でも微妙に変化しています。

朝はむくみが少ないため小さめに感じますが、午後から夕方にかけて徐々に足がむくんで大きくなるのです。

そのため、靴を購入する際は、午後(14時~18時頃)にサイズを測ることが推奨されます。

これにより、一番足が大きくなるタイミングに合わせた靴選びができ、締めつけや圧迫による不快感を防ぐことができます。

また、左右の足で大きさが異なることも多いため、必ず両足を測るようにしましょう
どちらか大きい方の足に合わせて選ぶのが基本です。

中敷き(インソール)を活用する

足にぴったり合う靴がなかなか見つからないとき、または「少し大きいけどデザインが気に入った」といったときには、中敷き(インソール)を活用するのが賢い方法です。
中敷きには以下のような種類があります:

種類主な目的
クッションタイプ衝撃吸収・疲労軽減
アーチサポートタイプ土踏まずを支えてバランス改善
滑り止めタイプ靴の中で足が前後に動くのを防止
厚み調整タイプサイズ調整、フィット感向上

特に土踏まずをサポートするタイプは、偏平足気味のシニアにおすすめです。

また、冬場には保温機能のあるインソールも快適です。

インソールを使用する際は、靴の構造に適した厚さや形状を選ぶことも重要です。

入れることで靴がきつくなってしまう場合もあるので、あらかじめ余裕のあるサイズを選んでおくと安心です。

通販で選ぶ際の注意点

最近では、実店舗に行かずに通販で靴を購入する方も増えています。

サイズの選択肢が多く、レビューも参考になる一方で、実際に履いて確認できないデメリットもあります。

そこで、通販で失敗しないためのポイントは以下の通りです:

  • 返品・交換可能か必ず確認する(送料も含めてチェック)
  • レビューで「足幅」や「重さ」「履き心地」の言及を参考にする
  • 新しいブランドが欲しいのでなければ、今履いているブランドで選ぶ
  • 試着後、室内で歩いてフィット感を確認する

また、「ワイド設計」「高齢者向け」「面ファスナー」などのキーワードで検索すると、シニア層に向いた商品が見つけやすくなります。

特にAmazonや楽天では「高評価4.0以上」で絞り込むのも効果的です。

正しい靴の履き方・履き慣らしのコツ

靴ひもや面ファスナーの調整方法

ラクーンのように、足の出し入れが簡単で歩行時にも快適な靴もありますが、通常、靴を履くときに「そのまま足を入れるだけ」では、足と靴がうまくフィットせず、歩行時に負担がかかります。

とくに重要なのが、靴ひもや面ファスナーを“しっかり締める”ことです。

面ファスナータイプなら、「足の甲からかかとにかけて」順番にゆるみなく締めていくのがポイントです。

靴ひもタイプの場合は、つま先側から少しずつ引き締めながら最後にしっかり結ぶと、靴の中で足がずれにくくなります。
また、日中は足がむくんでくるため、数時間ごとに締め直すのも疲れや靴擦れを防ぐ工夫のひとつです。

新品靴を履く際の慣らし方

新しい靴をいきなり長時間履くのはNGです。

どんなに良い靴でも、自分の足に馴染むまでは少しずつ時間をかけて慣らすことが大切です。

以下はおすすめの履き慣らしステップ:

  1. 初日は自宅の中で10分程度歩く(室内履きとして)
  2. 数日かけて30分→1時間と使用時間を延ばす
  3. 慣れたら近所の散歩に使用し、外履きへ移行

このプロセスを経ることで、足と靴の“相性”も見極めやすくなり、靴擦れや関節の痛みも防止できます。

靴擦れを防ぐ工夫

新しい靴や長時間の歩行で発生しやすいのが「靴擦れ」です。

予防のためには、以下の工夫が有効です:

  • 靴と足の間に摩擦を起こさせない(中敷きやパッドを活用)
  • かかとや小指の部分に絆創膏を貼っておく
  • 履き口にベビーパウダーや靴擦れ防止スプレーを使用

また、靴下の素材にも注意しましょう。

厚手でフィット感のある靴下を選ぶことで、足と靴のズレを軽減し、摩擦を最小限に抑えることができます。

おすすめの“疲れにくい靴”タイプ別紹介

歩きやすいスニーカータイプ

まず、日常的にしっかり歩きたい方におすすめなのがウォーキングスニーカータイプです。

特徴は以下の通り:

  • クッション性に優れたソール(EVAなど)
  • 足首までしっかりホールドできる設計
  • 軽量で、足の運びが自然に

特にニューバランス(New Balance)やアサヒメディカルウォークなどの高齢者向けモデルは、足の横幅(3E〜5E)や安定性が高く、膝・腰にやさしい仕様になっています。

また、「オールブラック」「ベージュ系」など落ち着いたデザインを選べば、日常着にも合わせやすく、ウォーキング以外にも使いやすくなります。

ニューバランス
new balance(ニューバランス)
アサヒ メディカルウォーク
ASAHI Medical Walk(アサヒ メディカルウォーク)

外出用のおしゃれなコンフォートシューズ

「いかにも運動靴」ではなく、ちょっとした外出にも履ける靴を探している方には、
おしゃれと機能性を両立したコンフォートシューズが最適です。

特徴:

  • 見た目は革靴・ローファー風でも中はふかふか
  • 面ファスナーやゴム紐で脱ぎ履きが簡単
  • つま先が広く圧迫感がない

シニア女性には、「ヨネックスのパワークッションシリーズ」や「アシックスのライフウォーカー」が人気です。

足に優しいのに見た目がエレガントで、「長く歩けるおしゃれ靴」としてリピーターも多いです。

ヨネックス パワークッションシリーズ レディース
YONEX(ヨネックス)
アシックス ライフウォーカー レディース
asics(アシックス)

室内〜近所向けの軽量靴

「ちょっとゴミ出し」や「近所の買い物」程度の用途なら、軽量で脱ぎ履きしやすい靴が便利です。

具体例:

  • スリッポンタイプのニットシューズ
  • かかとを踏める2WAYタイプ(室内履きにも)
  • 1足200g以下の超軽量設計モデル

夏場は通気性が高いメッシュ素材のものが快適です。

冬は裏起毛タイプや防水加工のものも登場しています。
こうした靴は、
履きやすさが圧倒的で、玄関に常備しておくと日常の行動範囲が自然に広がります

ミズノ重量200g以下のシューズ

まとめ|靴を見直すことが未来の健康につながる

シニア世代にとって、「歩くこと」は健康維持の大切な柱です。
しかし、その歩行を支える“靴”が足に合っていなければ、知らず知らずのうちに疲労や痛みが蓄積し、歩くこと自体を避けるようになってしまいます

今回ご紹介したように、年齢とともに変化する足の形や筋力に合わせて、靴を見直すことで、

  • 疲れにくくなる
  • 転倒リスクが減る
  • 外出や運動が億劫でなくなる

といったメリットが得られます。

「靴を変えただけで、歩くのが楽しみになった」という声も多く、日々の行動がポジティブに変化していきます。

ぜひ一度、ご自分の足と靴の関係を見直して、“今の自分”に合う一足を探してみてください。

その靴が、これからの健康的な人生をしっかり支えてくれるはずです。
この先も、自分にピッタリのマイシューズで大地を踏みしめて歩いて行きましょう!

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